
情報伝達媒体の進化発展により、今日、私たちは世界同時に大量の情報を共有することが出来るようになりました。しかし、そのあらゆる情報の中でも、第一の伝達価値は「いのちの尊厳」に関わる情報にあると、佼成出版社は考えます。
なぜならば、人の生死(しょうじ)の意味も幸福の所在も、あるいは、いま、ここに呼吸する私個人の身の振り方、言葉一つのありかたも、そして、人と人が関係し合う営みの意味なども、およそ、人間が生きる上での命題がそこに集約されるものと考えるからです。
また、生産性を第一の価値として追い求めた結果、閉塞的な状況で苦悩する今日の世界に、いのちの情報は光明となって未来をもたらすと信じているからです。人間の価値はその生産力にあるのではなく、存在そのものにあります。その真実を機軸にして、新たな文明は創造されるべきであると私たちは考えます。
この"第一の価値"を発信・伝達する仕事に従事できる幸運、それを私たち佼成出版社社員は、"第一の喜び"としています。
私たちは、「いのちの尊厳」を単にヒューマニズムや倫理のレベルでとらえてはいません。なぜならば、それは、いのちの真実を狭小化するもので、かつ、非現実的だからです。
人間のみならず、すべての生きとし生けるものが依存し関係し合い、地上を創造しているのが現実の世界です。地球は一つの生命体です。その「一つのいのち」につながる私たちのいのちは、地球のいのちです。だからこそ、尊いのです。
かつて、釈迦は、人間のみならずあらゆる生命体・非生命体を貫く一つのいのちの本性を見出し、そこに「いのちの尊厳」の根本があることを明示しました。
地上のすべての存在が宿す「一つの尊厳」を見つめ、その英知に基づき、限られた地球環境を維持していくこと。それが、今日から明日へ向かう私たちの最大の使命であると、佼成出版社は信じ、発信し続けていきます。
株式会社佼成出版社 社長
岡部 守恭