
学術的な研究業績を踏まえ、仏教史の新たなスタンダード創出をめざした執筆者たち。刊行に寄せ、執筆に込めた思いを綴ります。
旧版『アジア仏教史』がこれまでの仏教史のスタンダードで、私を学生時代から導いてくれたシリーズだっただけに、新たなスタンダード作りに参加できる喜びと同時にプレッシャーを感じつつ、旧版以後に出版された関係図書及び論文の整理に1年ほど掛けて取り組んだ。
第10巻の中心は韓国仏教であるが、今までにない韓国仏教史となっている。韓国仏教担当者中、3人は日本人で3人とも韓国留学経験があり、残りの3人は韓国人であるが3人とも日本での数々の研究実績がある。当然ながら、全ての章に亘って日韓の最新の研究成果がこの1冊に盛り込まれることとなった。
私が担当した第1章(仏教受容と民間信仰)においては、百済仏教の特色の一つを「法華信仰」としたこと、「新羅花郎集団」に関する種々の記載などはぜひ注目して欲しい。また、寺院分布図は韓国の研究成果によって斬新なものとなっている。